うちの上娘は、パンセクシュアルだ。
念のために説明しておくと、パンセクシュアル(全性愛)というのは、相手を好きになるのに「性別が条件に入らない」というあり方のこと。
彼女いわく、「好きになるのに性別は関係ない」と断言している。
……のだが、「基本的には男より、女の子の柔らかさが好き」なんだそうだ。
それでもバイセクシュアルではない、パンセクシュアルなのだと言い切るあたり、彼女なりのこだわりがあるんだろう。
そんな彼女、中学生の時にはすでに複数の「大人女子」と浮名を流していた。
しかも、どの子とも綺麗に別れてきたらしい。
……やりおる。
その「たらしぶり」は、完全に僕を超えたな。
血は争えないというか、わが家のカオスっぷりは娘だけじゃない。
夫はといえば、若い頃は「ゲイの理想」なんて言われていたクチだ。
……まあ、確かに美形だったしね。
そんな「ゲイの理想」と結婚してしまったのが、この僕(笑)。
おまけに僕の元カレ(パパ彼)はバイセクシュアルだったし。
気がつけば、下娘だけがノンケ。
おいおい、周囲がLGBTだらけじゃないか(笑)。
僕は普段から男装をすることが多いけれど、それについて誰かに突っ込まれたことは一度もない。
「結婚しているから」という記号が盾になっているのかもしれないけれど、結局のところ、世の中の人は他人の性的自認なんかより、他に気になることが山ほどあるんだろう。
案外、性別のことなんて気にしているのは自分だけなのかもしれない。
そう思うと、カミングアウトなんて大層なことに悩まなくてもいいんじゃないかな、なんて。
だって、目の前の日常の方が、よっぽど賑やかで忙しいんだから。
